翼を広げると3m!世界最大級の空を飛ぶ鳥「アンデスコンドル」の巨大さにズームイン!
南アメリカ大陸のアンデス山脈に生息する、タカ目コンドル科のアンデスコンドル(Andean condor)は、空を飛べる鳥の中では世界最大級と言われており、翼を広げると3mに達するという。
猛禽類ではあるが、狩りは行わず主食は死んだ動物だ。
アメリカの獣医師がペルーのクスコにあるコチャワシ動物保護区を訪れた際、アンデスコンドルと自身を比較した動画が話題となっていたので、それを見ながら、アンデスコンドルの魅力に迫ってみよう。
【画像】 翼を広げると3mにもなる世界最大級の空飛ぶ鳥、アンデスコンドル
アンデスコンドルは、体長1~1.3m、体重15kgの大型の鳥だ。翼を広げると3mに及び、つばさの面積が最も大きい鳥類ともいわれている。
羽毛は黒色で、翼に白い斑紋がある。頭部や首は羽毛がなく、皮膚の色はオスは赤色、メスは黒色と別れる。
オスには頭部にトサカ状の突起があり、これは気分や体温によって変化する。また、オスには首周りに白い環があるのも特徴だ。
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アンデスコンドルの飛行能力
アンデスコンドルは重いため、自力で高く飛び上がることが苦手だ。そのため、大きなつばさで強い風や上昇気流をとらえて空高く舞い上がり滑空する。
滑空中にはほとんど羽ばたきをせず、エネルギーを節約しながら、一日に200km以上も移動することができる。
アンデスコンドルの生息地と食性
アンデスコンドルは南アメリカ大陸の西部に広く分布しており、ペルーからアルゼンチンまでの海岸地域やアンデス山脈に住んでいる。海抜4500メートルまでの高地でも見られ、断崖や岩場などに巣を作る。
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アンデスコンドルは肉食性だが狩りをせず、主に死んだ動物を食べている。嗅覚と視覚で獲物を探しだしているという。
また、他の肉食動物や同種のコンドルと一緒に食べることもある。大きなくちばしで皮や筋肉を切り裂き、食べ物を飲み込むのだが、食べすぎて、飛行能力が低下してしまうこともある。
アンデスコンドルの繁殖
アンデスコンドルは一夫一婦制で、一生涯同じ相手とペアを組む 。繁殖期になると、オスがメスに求愛するために頭部のトサカを動かしたり、羽ばたいたり、鳴いたりする。
メスは一回に一個の卵を産み、孵化まで約60日かかる。ヒナは両親によって育てられ、約6ヶ月で巣立っていくが、親は次の子供を産むまでに約2年もの間、ヒナと一緒にいることが多いという。
長寿だが絶滅危惧種
アンデスコンドルは長寿で、自然界では約50歳と言われている。人工飼育下では75歳まで生きたこともあるという。
だが現在、この鳥は絶滅の危機に瀕している。人間による狩猟や毒餌、森林伐採などが主な脅威だ。
アンデスコンドルは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されており、保護活動が行われている。
